2022年5月1日5時28分｜新月ホロスコープ（東京）

新月図概観

新月図解説

新月｜牡牛座11度のサビアンシンボル

新月のサビアンシンボルを見てみましょう（ルディア版，以下同）。

牡牛座11度
庭で花に水をやる女性
キーノート:自我意識の基盤となる精神力の開発

花に水をやるかのごとく，創造力を日常生活のさまざまな面において注ぎ込んでいくという意味をもった度数です。それはもうそうせざるを得ないという内的必然性を帯びたものであり，“熱望”とさえ言ってよいものです。

またシンボルの文字どおり，人間と自然との良好なパートナーシップを意味する度数でもあります。「自然の豊かさは人間の内的な魂の寛容さへの合致の傾向を帯びるようになる」とジョーンズは述べています。

コロナ禍はいまだ収束してはいませんが，行動制限は大きく緩和されました。大型連休のすごし方としては，自然と触れ合うことに楽しみを見出すとよいかも知れません。自然のなかで魂の寛容さを育んでみてください。もちろんインドア派の方は自分の身の周りで大いにクリエイティビティを発揮してください。

キーワードとして“CARE（世話，保護，注意，心配，気がかり）”が与えられています。花に水をやるという養育的な態度はもちろん人間にも向けられます。周囲の人々にお世話して差し上げてください。それが必然的におのずと湧いて出てくるでしょう。

この度数のネガティヴな発現は“小さな関心事への皮相的な満足と無駄な盲従”です。お世話も過保護になってはいけません。細かなことにまで気配りが行き届いている自分に酔っているだけという，大きな独り善がりになってしまうかも知れません。

太陽と月がこの同じ度数にあるということで，ソーシャルでもプライベートでも上記の内容が非常に強化されます。以上を向こう半月（満月＝5月16日まで）のテーマとして心に留めてみてください。

アスペクト，ディスポジター，その他注目すべき点

この新月が11室魚火星と60度のアスペクトをとっています。

創造力を注ぎ込みお世話して差し上げるという意味をもったこの新月が，対外的な側面で活性化されます。社交的で大いに結構ですが，やりすぎはトラブルのもとです。

ASC-DSCにノードがタイトに重なっているうえに，そこへ10室水瓶の土星とベスタがＴスクエアをつくっています。

クリエイティビティを発揮しようにも，家庭内でやるべきことや，女性の場合はとくに妻の務めというものが重荷や足枷になってしまう可能性があります。

土星はセレス（2室双子）およびバーテックス（6室天秤）とグランドトラインをなしています。

責務を果たす一方で中長期的なビジョンを立てるとよいでしょう。この新月をきっかけにして，自分が世の中に出していきたいものはなんであるかを見極め，目標を設定してみるのが吉となります。

ジュノー（11室魚）がMCに30度です。

責務を果たせばその見返りは得られます。

ただし，海王星（11室魚）がこれまたかなりタイトに，土星と30度・セレスと90度・バーテックスと150度で介入しています。

目標が定まりにくかったり，あるいは日常の惰性のなかでうやむやになってしまうおそれがあります。井戸端会議や飲み会などでストレス発散をして，ただそれで終わってしまうことのないように注意したいところです。

水星がこの新月の前日に双子に入ったばかりです。

ディスポジターでは他の天体との関係がなく主要天体とのアスペクトもありませんが，1室にあり目立っています。

双子座1度
ガラス底のボートが海底の不思議を明らかにする
キーノート：無意識のエネルギーの暴露と隠された心霊的な構造

双子の特性である分析的な知力と好奇心が遺憾なく発揮される度数であり，キーワードもずばりCURIOSITYです。

小天体ではパラス（12室牡牛1度）と30度のアスペクトをとっています。

これはわがままな言動や攻撃的で身勝手な好奇心の発露が予想されます。憂さ晴らしも結構ですが口は災いのもとです。パラスが12室ということもあり，陰口やネット炎上などにも注意したいところです。

金星と木星が合（11室魚）で，そこに冥王星（9室山羊）が60度です。

ロシアのウクライナ侵攻から2か月以上が過ぎましたが，日本にとってはなんらかの外交上の結実が見られる可能性が出てきました。外圧との折り合いもつけられそうです。いち早くウクライナ支持を表明したのに感謝されていないだとか，昭和天皇をヒトラーとムッソリーニに並べられたと憤慨している人がいるようですが，国際的なプレゼンス（存在感）がどうであるということよりも，名よりも実をとっていただきたいものです。

今回の新月は日蝕を伴っています。

占星術上で日蝕がもたらす意味は諸説ありますが，太陽が欠けるという現象は古来不吉なものとされてきました。また太陽は王権の象徴でもあり，日蝕はその失墜を意味するという見方もあります。現在の国際社会で大きな権力を持つ人物の権勢に翳りが生じるという見立ても可能です。

新月が12室，火星が11室で60度のアスペクトというところから，秘密裏の軍事行動に親和性があるとも見てとれます。

いずれにせよ動静から目は離せません。もちろん日本における為政者の権威失墜と読むこともできますし，むしろその可能性のほうが高いでしょう。上記のとおり外交上の成果は期待できますが，円安は歯止めがかからず物価は上昇する一方です。この日蝕を機に政権交代を待望するムードの高まりも予想されます。

上弦図で見る満月（5月16日）までの動き

上弦図（2022年5月9日9:21東京）

上弦の月（5月9日）を境に少し潮目が変わります。

太陽（10室牡牛19度）に月（2室獅子19度）のスクエアが形成されます。
そしてそこに火星（9室魚19度）が，太陽に対してセクスタイル，月に対してクインカンクスとなります。

上弦図のサビアンシンボル

牡牛座19度
洋上に隆起する新大陸
キーノート：危機のあとに怒濤のように押し寄せる新たな潜在的可能性

獅子座19度
ハウスボートでのパーティー
キーノート：厳密に構造化された社会的振る舞いからの一時的な自由を楽しむこと

魚座19度
自分の弟子に指示する師匠
キーノート：活発で逸脱しない周期として，独自のスピリチュアルで創造的な〈衝動〉を維持するような力と知識を譲渡すること

世界の動きはますます混迷し人々は変化や対応を求められる一方で，維持しておきたい自分の価値観はどうあっても死守したい，しかしそれがなかなかに困難である，なんなら遊び呆けていたいのに——という葛藤に絡めとられることになります。世の中のムードはスピリチュアルな価値観の方向に流れていますのでどのように妥協するかを模索しなければなりません。

魚座19度のサビアンシンボルに描かれているのは，未来志向の知の継承・伝達です。しがみつくことばかりではなく手放すことを学ぶ必要があります。それが今後のためだからです。

MCの近くにカイロンがあり（10室牡羊15度）天王星（10室牡牛16度）と30度のアスペクトです。

手放し自己をリニューアルすることがすなわち癒しになるでしょう。このアスペクトは新月図にも見られますが，新月図では12室内で形成されているのでまだ明確になりづらいかとおもいます。上弦のタイミングで振り切ってみてください。

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執筆者　【すずきふみよし プロフィール】

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—- 新月とは —-
地球から見て、太陽と月が重なるときで、月の光が見えなくなります。
旧暦（陰暦）では新月から1ヶ月がはじまります。
占星術では、太陽の意志を月が受け取り、新しい目的が生まれる日
として、その月のテーマを読み取るときに用います。