【2025年後半】木星蟹座がもたらす「つながり」と「心の居場所」の再生

2025年6月10日、拡大と恩恵を司る木星が、感受性の源である蟹座へと入宮します。

ここから2026年夏にかけて、私たちの人生には「帰属」「安心」「情緒的なつながり」といったテーマが、ゆるやかに、しかし確実に浮上してくるでしょう。

木星が蟹座にあるとき、それは単なる家庭的な幸福を意味するだけではありません。

それは、自分という存在が「どこに根を下ろすのか」、そして「誰と共鳴しながら生きていくのか」という、深く本質的な問いを私たちに投げかけてくる時間です。

「心の拠り所」が、人生の中心に戻ってくる

蟹座は、内面の感情を守り育むサイン。

このサインに木星が入るということは、「心の居場所」がこれまで以上に重要な意味を帯びることを意味します。

単なる居場所ではなく、“情緒が満たされる場所”を、私たちは本能的に探し始めるのです。

それは、家庭の再定義かもしれません。

あるいは、信頼できる友人関係や、魂が安らぐコミュニティの再発見という形で訪れることもあるでしょう。

この一年は、表面的な成功よりも、心の奥に触れるつながりが人生を豊かにしていきます。

過去の傷が癒され、家族やパートナー、旧友との関係に新たな希望が灯る可能性もあるでしょう。

ときに懐かしさが、私たちを癒しの道へと導いてくれるかもしれません。

6月中旬：愛の葛藤と、創造の衝動

6月中旬には、牡牛座の金星と水瓶座の冥王星がスクエア（90度）という緊張のアスペクトを形成します。

この配置は、愛情や美意識、そして“価値あるもの”に対する意識に、深い揺さぶりをもたらします。

恋愛では、心の奥に沈めていた欲求や不安が突然浮上する可能性があります。

それは痛みを伴うかもしれませんが、逆に言えば、本当の絆を見極めるための浄化のプロセスでもあります。

また、金星と冥王星の組み合わせは、芸術や創作活動に情熱と集中力を与えるパワフルな時間でもあります。

自分の内面に潜り、そこから生まれる“深い感情”を形にしていくような表現が、評価を得やすいでしょう。

理屈ではなく、魂の叫びが創造力を突き動かすのです。

変容を促す問い：木星と土星のスクエア

同じく6月、木星と土星がスクエア（90度）という緊張状態を形成します。

これは、人生の拡大を求める木星と、現実に基盤を築こうとする土星の力がぶつかり合う配置。

2025年後半の私たちは、「自由」と「責任」、「安心」と「自立」の間で、重要な選択を迫られることになるでしょう。

たとえば、夢を追いかけたい気持ちと、家族を守りたいという責任感の間で葛藤が生まれるかもしれません。

あるいは、安定を求めていたはずの人生に、どこか“物足りなさ”を感じ始めることも。

しかし、木星と土星の葛藤は、破壊ではなく「統合」のために起こります。

理想と現実の折り合いをつけながら、“本当に自分にふさわしい生き方”へと再調整していくことが、今求められているのです。

星たちの運動が促す「行動」と「選択」

6月17日に火星が乙女座へ、7月7日には天王星が双子座へ移動し、さらに7月には海王星と土星が逆行を開始します。

星々が柔軟宮と活動宮に集まるこの時期、私たちの内側には「動きたい」「変えたい」という衝動が生まれます。

しかし、木星蟹座の影響がある今、ただ前に進むだけではなく、“誰とどんな心で進むか”が重要になります。

夢を追うことと、誰かを守ることは両立できるのか。

そのバランスを探ることこそが、2025年後半を乗り越える鍵なのです。

自分自身を犠牲にせず、かといって他者を切り捨てることもせず、丁寧に関係性を編み直していく——

そんな成熟した選択が、未来を変える土台になっていきます。

秋以降：静けさが教えてくれること

夏の終わりから秋にかけて、逆行した土星が再び魚座へと戻り、星の運行は次第に穏やかになります。

この時間帯は、忙しさや変化の中で生まれた“心の疲労”を癒し、立ち止まることが許される時期でもあります。

焦らず、急がず、自分の感情を丁寧に受け取ること。

「私は何を守りたいのか」「どこに根を下ろしたいのか」。

そんな問いを内省することで、人生の進む方向が見えてくるでしょう。

まとめ：ぬくもりが、未来を形づくる

木星蟹座の時期は、目には見えない“心のつながり”が、私たちの世界を静かに変えていく時間です。

華やかさよりも誠実さを、スピードよりも深さを大切にした選択が、私たちの未来をあたためてくれます。

「ここにいていい」と思える場所。

「この人と一緒にいたい」と感じる関係性。

それらを見つけ、守ることにエネルギーを注ぐことで、人生は確かに満たされていくのです。

慌ただしい日常のなかでも、小さな思いやりを忘れずに。

それがやがて、大きな愛となって、あなたの未来に花を咲かせてくれるはずです。

伊藤スミレ