出生時間の調べ方と、生まれた時間がわからない場合の対処法

生まれた時間は、どこに記録されていますか？

本格的な占星術や紫微斗数の出生図分析には、正確な出生時刻と出生地が必要です。
だいたい何時ごろ、というような曖昧な出生時刻では、精度の高い分析はできません。

例）西洋占星術では、出生時刻が約4分ずれる毎にアングルが1度ずつ移動し、未来予測が1年単位でずれていきます。

そこで、正確な生まれ時間を調べる方法をお知らせします。

公的に証明できる出生時間

最も信頼できる公的なデータは以下の３つの媒体で調べることができます。

１）母子手帳

最も入手しやすい情報源です。何をおいても母子手帳を探しましょう。

２）へその緒の箱

基本的に母子手帳と同じデータが記載されています。

３）出生証明書

出産された病院等の医師等が記入（証明）するもので、出生時間が記載されています。生まれた市区町村の市役所、区役所又は町村役場に届け出され（出生届）、その後、法務局に移動します。ただし、法務局で調べるのはなかなか大変です。保管期間が過ぎ、既に記録が残っていない可能性もあります。下記に大阪府の例を掲載しますが、役所によって保管期間が異なる可能性があるので、各自、生まれた市区町村に問い合わせてみてください。

法務局で調べる方法（大阪法務局の場合）

大阪法務局の場合、戸籍届書の保管期間は27年間のようです。

令和６年２月２９日までに市区町村役場に提出された出生、婚姻、死亡等の各種の戸籍届書は、おおむね1か月間、本籍地の市区町村役場で保管された後に、その市区町村を管轄する法務局（又はその支局）に送付され、一定期間保管されます（大阪法務局における戸籍届書の保存期間は、27年間です）。

この戸籍届書は、秘密性の高い情報が記載されているため、その性質上原則として非公開とされていますが、一定の利害関係人の方は、特別の事由がある場合に限って、その書類に記載された事項について証明書を請求することができます。戸籍届書の記載事項証明書を請求できる方は、「利害関係人」で、かつ「特別な事由」があると認められる方に限られています。「利害関係人」とは、届出事件本人、届出人及び届出事件本人の親族などをいいます。単なる財産上の利害関係人は含まれません。［大阪法務局］

市区町村の役場で調べる方法

令和6年3月1日以降の出生届は、電子化されて保管されるので、半永久的に残る可能性がありますね。
一方、令和6年2月末日以前の出生届は、市区町村の役場で紙原本として5年ほど保管され、その後は法務局で保管されるようですね。

戸籍届書（婚姻・離婚・出生・死亡等）については、原則非公開となっていますが、利害関係人の方で法令等で定められた特別な請求理由がある場合に限り、その証明を交付請求することができます。

※法令等で定められた請求理由：郵便局簡易生命保険の請求（保険証書が必要）、遺族年金の請求など

令和6年3月1日の戸籍法改正により、届書の情報は電子化され保管することになったため、原則として「届書等情報内容証明書」（電子化された届書データを原本とする証明書）による証明となります。

届書の紙原本は、届出を受理した市区町村において一定期間（5年）保管されており、保管期間内であれば「届書記載事項証明書」（届書の紙原本から作成する証明書）の発行も可能ですが、「届書等情報内容証明書」ではなく「届書記載事項証明書」による証明が必要な場合のみ交付請求することができます。

ただし、戸籍法改正まで（令和6年2月末まで）に受理した届書の証明が必要な場合、届書は紙原本のまま電子化されずに本籍地の市区町村を所管する法務局において保管されているため、当該法務局へ「届書記載事項証明書」をご請求ください。［出典：大阪市］

親族などの記憶による出生時間

親族の記憶があれば、生まれ時間が全くわからない場合よりも、ずっと助けになります。ただし、親族の記憶は「おおよそ何時ごろ」などと曖昧なことが多く、分単位まで判明することは稀でしょう。出産当事者である母親の記憶は、あまりあてにならないことが多いです。時計を気にしながら出産に臨む余裕のある妊婦は少なく、記憶がおぼろげになっているからです。兄弟姉妹がいる場合は、テレコになって記憶していることもよくあります。母親よりも、出生時に付き添っていた親族の記憶のほうが、正確性が高いでしょう。

親族による記録

親族が出生直後に写真撮影（ビデオ撮影）し、その時刻が写真に記載されているケースがあります。また、親族に占い好きの方がいる場合、出産に立ち会い、正確な出生時刻を文書で記録しているケースもあります。そういったケースは、非常に信頼性の高い出生データとなるでしょう。

生まれた時間がわからない場合の対処法

母子手帳も、へその緒の箱も見つからない。法務局にも出生届は残っていなかった。だとすると、生まれた時間がわからないという条件で、対応するしかありませんね。

A：西洋占星術における対処法

１）最も誤差の少ない正午で出生図を作成する

生まれた時間がわからない場合は、細部まで分析することはできませんが、同じ日に生まれた方全員に共通する特徴を読み解くことは可能です。

生まれた時間がわからない場合は、アングル（ASCやMC）やハウスが不明となります。ホロスコープ分析では、天体・サイン・アスペクト・ハウスを使いますが、ハウスが使えないということです。

また正確な天体の位置もわかりませんので、天体がサインの境い目にある場合は、その天体の象意も曖昧になります。特に月（☽）は、約2時間に1度ずれるので、月のサインやアスペクトは当てにならないことが多いのです。1日中、月が同じサインに滞在する場合をのぞき、月以外の9天体と、そのアスペクトを使って、分析していきます。ただし、お客様と対話していく中で、その人の月のサインの見当がつくことは多いです。

２）サビアン占星術やパラン恒星、ミッドポイントや小惑星占星術など、特殊な技法で補う

サビアン占星術は、ホロスコープ360度の1度1度の意味を読み解く技術です。この技法を使うと、出生時刻がわからなくても、かなり深い読み込みが可能です。動きの速い水星・金星・太陽などは、前後の度数も考慮して分析します。月以外の天体や、ドラゴンヘッドやテイルを使って読み解いていきます。

パラン恒星は、出生時刻がなくても読み解ける技術です。

天体と天体の丁度真ん中のポイントをミッドポイントといいます。このミッドポイントを使うことで、多くの情報を得ることができ、ハウスの不明を補えます。

小惑星も活用すると、分析ポイントが増えるので、ハウスの不明を補えます。

３）ホラリー占星術を使う

ホラリー占星術は、生まれた時間どころか、生年月日も不要です。占星家がクライアントの質問を理解した瞬間の図を用いて占っていきます。

４）レクティフィケーション（出生時刻の割り出しや修正）をする

西洋占星術には、生まれた時刻を割り出したり、修正したりする技術があります。お客様の性質や見かけ、過去の重要なイベントとその日時から、生まれた時間を導き出していくのです。高度な技術であるだけでなく、時間と労力がかかるので、かなりの熟練の占星家であっても苦手意識を持っている人が多いのです。この難関技術を引き受けてくれる、信頼のおける占星家は稀少ですし、それなりの費用がかかります。

レクティフィケーションは、占星家の労力が大きいだけでなく、お客様ご自身の労力と意欲も必要とされます。自らの人生を、辛かったことも含めてじっくりと振り返り、過去のイベントの正確な日付を調べるのは、手間も根気も必要です。

そう、レクティフィケーションは、占星家とクライアントの共同作業なのです。労力はかかりますが、どうしても、ご自身の出生時刻を手に入れたいのなら、依頼してみる価値はあるでしょう。レクティフィケーションに取り組む過程は、人生の棚卸をする貴重な機会にもなるでしょう。

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B：出生時刻が不要の占術を使う、あるいは、併用する

生まれた時間を必要としない占術もたくさんあります。西洋占星術や紫微斗数だけにこだわらず、その他の占術を試してみませんか？　詳しくは、こちらのページをチェックしてみてくださいね。

☞　生まれた時間が必要な占いと不要な占い