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2026/01/28
人生の物語をうまく紡げないときには
人生の物語はだれもが自分で紡ぐものだけれど、
他者の手を借りるというのもありなのだと思わせてくれた映画が、
昨年末に観た『落下の王国』。

2008年に公開された映画のリマスター版です。
現在ではVFXが当たり前ですが、
13の世界遺産でロケが行われたという映像は息をのむような美しさ。
映画の舞台は1915年。
スタントマンの主人公は撮影中に端から落ちて大けがを負い、入院中。
そこで知り合ったのが、同じく木から落ちて腕の骨折で入院中の5歳の少女。
自暴自棄になっていた主人公は、
自殺するための薬を薬剤室から盗んでこさせようと、少女に物語を聞かせます。
ネタバレになるのでこれ以上詳しくは書きませんが、
物語の末路を破滅的なものにしようとする主人公を止めたのは、少女でした。
「自分の人生、所詮こんなもの」と思いたくなる気持ちはだれにでもあるでしょう。
だから、自分ひとりでは人生の筋書きをうまく思い描けないときには、
だれかの手を借りてみるのもいいのかもしれません。
占い師というのは、言ってみればそのお手伝いをする役割。
占星術であれば、時系列で過去の出来事を振り返り、
それにどんな意味があったのか、
それが今の立ち位置にどうつながっているのかを一緒に読み解くことができます。
今が悲惨な状況であっても、その経験をどう活かせばいいのか、
その経験を踏まえたうえで、これからどう生きていったらいいのか、
という人生の物語を一緒に考えることもできるのです。
占いというのは、下手をすると、
自分の人生がいかにうまくいかないかを裏付けするための道具としても使えます。
以前に相談に来られた方で、「気をつけたほうがいいことはないですか?」
と繰り返し訊いてきた方がいました。
気をつけるべき点をお伝えするのですが、それでも何度も訊いてくるのです。
なので、「さっきから悪いことばっかり聞きたがってません?」と言ったら、苦笑していました。
いいことばかり聞きたがるのも考えものですが、
人生にはダンジョンばかりあると想定するのもどうかなと。
まあ、それはそれでスリルに満ちた物語かもしれませんが。
私は4ハウスに凶星と呼ばれる土星があるのですが、
家族とはほぼ縁が切れていて、帰る実家もありません。
「やっぱり私は家庭運がないんだ」と不運に思ったこともありました。
そういう見方をする占星術師がほとんどでしょう。
けれども、別の視点が得られたのは
心理占星術のリズ・グリーンの『サターン 土星の心理占星学』を読んだときのこと。
4ハウスの土星について
「自ら安心感を発達させることができるのは、第4ハウスに土星を持つ人だけなのだろう」
と書いてあったのです。
確かに、家族という拠り所がなかった私は、
一時期に瞑想を熱心にしていたことがありました。
そのおかげか、いつの間にか、自分の外ではなく、
自分自身のこころがいつでも戻ってこれる拠り所となったようです。
また、私は天王星がノーアスペクトで、
若いころは日本社会に馴染めませんでしたが、
引きこもれる家がなかったために、引きこもりにはならず、
日本を飛び出して(引きこもりではなく、出っ放し)
広い世界を知ることができました。
太陽と火星がタイトなコンジャンクションなので、
自分で人生を切り拓く力にもともと恵まれていたのかもしれません。
それに、アセンダントが山羊座なので、
社会で揉まれることを完全に避けるわけにもいかなかった。
人生の晩年にはインドでのんびり暮らそうかとも考えていたんですが、
面白いことに、土星の年齢域に近づくにつれて、そんな気は失せてしまい、
母国にいるほうが心地よく感じるのだから、人生わからないものです。
この先、2回目のサターンリターンのあたりで、
ディセンダントにソーラーアークの土星がのるという一大イベントがあるのですが、
どうなることか、楽しみにしていたいと思います(泣いているかもしれませんが 笑)。
さて、この映画のタイトル『落下の王国』(原題は『The Fall』)。
「落下」の象徴といえば土星です。
人生の極意とは、土星の古典的イメージのような一見「悪い」物事の中に
どのように恩寵を見出すかということに尽きるのかもしれませんね。
あさぎ真那
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