BLOG 占星家・タロティストのブログ BLOG 占星家・タロティストのブログ

2023/07/20

星にまつわる神話を知って、腑に落ちた話

こんにちは。第三の眼代々木店の西洋占星術師、タロティストの藤井まほです。
今日も前の2回に続き「セルフケアとしての占い」について、今回は西洋占星術にフォーカスして書いてみたいと思います。

 

「セルフケアとしてのタロット」では、カードの絵がどう見えるかを深掘りしていくプロセスが自分の現状を知るきっかけになること、「今の自分を生かす、より大きな物語を見つける占い」では、タロットに描かれた「元型=アーキタイプ」を知ると狭まった視野から少し抜け出せるかもしれないこと、などを書きました。

 

今回の記事は、占星術で扱われる天体の名前の由来となった神話を知って、自分の生き方の癖のようなものに気づいた、藤井まほ自身の話です。

 

出生図の星の向こうには神話が

 

古代から人々は、星と神々とを結びつけて空を眺めていました。
たとえば、金星=ヴィーナス(ローマ神話のウェヌス、ギリシャではアフロディーテ―)は愛と美の女神、ということは多くの方がご存じではないでしょうか。
(西洋占星術ではギリシャ~ローマ神話に登場する神々がメインですが、背景には複数の文化と歴史があるため、ひとつの惑星が一柱の神、一つの逸話とのみ関連付けられているわけではありません)

 

あなたの出生図(生まれたときの星の配置を二次元に落とし込んだ図)で、ある天体がどのサイン(星座)、どのハウスにあるのかといった関係性を、占星術師は象徴を通して読み解きます。

 

今日は1977年に発見されたキロンという小惑星を見てみましょう(小惑星ではなく彗星とする説もあります)。発見が新しいため、星読みのストーリーには比較的最近加わった天体といえます。

 

傷と治癒の両方を象徴するキロン

 

キロンという星はギリシャ神話のケンタウロス族、ケイローンから名づけられ、占星術の世界では「傷ついた癒やし手」として知られています。
ケイローンが不死の運命を持つ半人半馬の姿で生まれ、その異形を恐れた母親から捨てられたこと。
アポローンら神々に愛しんで育てられ、芸術と医術に秀でたこと。
誤って毒矢が刺さり、あまりの苦痛に不死を返上したこと。などなど、ケイローンにまつわる逸話は複雑で面白いのです。(ただの強い英雄とか、何か一芸に秀でたというのではなく、さまざまな面があるという意味で)

 

 

トラウマ(魂の傷)と癒やしを象徴するこの天体が、ユング心理学に共鳴する心理占星術が盛んになった頃に発見されたことは興味深いですね。
傷ついた癒やし手だけでなく、キロンは尊厳死や生死にまつわるトラウマ、異端者といったことも象徴するとされています。

星を読むと、自分に関する謎がほどけていく

 

ちなみに、わたしの出生図ではキロンは1ハウスにあります。
1ハウスは「自分自身」「世界観」を表す部屋。ここにある天体は場合によっては「自分」に近すぎて自分でもよく認識できなくて、たとえばキロンがあると、存在すること自体に痛みを抱えているのだがそれがなんだかわからないという形で出ることもあります。

 

また、生まれつき「自分自身を見る眼鏡」にキズがあった。そのキズで曇った眼鏡を通してしか自分を見られないから、「自分とは何か」を追求し、もっとよく見えるようにレンズのキズを磨いていく人生になっていきそう、とも読めますね。

 

わたしのケースでは、そのなんだかわからない「自分」を知るために子どもの頃からいろいろな本を読み、長じて占星術を学ぶことになったのかもしれないなと考えています。
特に出生図のキロンは、ヴェスタ(かまどの女神、こだわりと集中を象徴するとされる)という別の小惑星と重なっていて、そこから自分の傷を覗き込むことにより集中してしまう性質(しなくてもいいのに)も読み取れるのです。
なんだかわかんないことを放置しておけなくて、本で調べたり勉強したり占ったりするタイプなんですね!(笑)

 

加えて、子どもの頃から周囲になじみにくいところがあったのは、1ハウス(幼少期も象徴します)のキロン=「異端者、はみ出し者」とまんま響き合っているかもしれません。

わたしたちを惹きつける天体や星座の物語

 

惑星名の由来となった神話を読んでいくと、意識しているわけじゃないけどなぜかこうなっちゃうんだよなーという自分の「癖」みたいなものとの相似に気づくことがあります。
もちろん、だからといって問題解決とはならないのですが、「頭ではやんなくていいとわかってるんだけど、どうしてもこういう行動をとったゃうんだよー。なぜ???」という悩みはちょっと軽くなります。
軽くならないにしても、ちょっと別の角度から眺めることはできるでしょう。

 

いまは誰もが大なり小なり生きづらさを抱えているのではないでしょうか。
その生きづらさを一気に解消するというのではありませんが、神話や物語のなかに自分の分身やカケラのようなものを見つけると、あ、生きづらい自分はここにいるのだな、こんな星の神話が自分の中にあるんだなとわかってちょっとホッとできたりするのです。

 

前回の記事、タロットカードに描かれた「元型=アーキタイプ」にいまの自分の生きている物語を発見する話とも重なりますね。
これが、星読みの世界に触れることでできるセルフケアの一つではないかとわたしは考えています。

 

 

通常の星読みでは基本的に太陽と月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星という10個の天体をメインに読むのですが、相談者の方の抱えるテーマや、そのときに気になっている問題を踏まえて、今回ご紹介したキロンのような小惑星に敢えてフォーカスして読んでいくことはよくあります。

 

10天体や12星座を読むのは西洋占星術の基本と言われますし、鑑定するときは生年月日と出生時刻から割り出された基本的な10天体の配置だけでも占星術師はとっては十分すぎるくらいの情報量です。
ただ、それに加えて小惑星やサビアンシンボル(12星座を1度から30度まで刻み、1度ずつにわりふった詩のようなフレーズ)といった細かい情報まで読んでいくと、テーマにピンポイントで刺さる何かが出てくることがあるんですね。
気になることがあれば、お気軽におたずねください。
キロンに限らず、星の背景にある神話から現在のあなたを癒やすポイントが見つかるかもしれません。

 

トランジット(現在の天空)のキロンは牡羊座を運行中

 

現在、キロンは牡羊座を運行中です。
牡羊座はものごとのスタート、誕生を象徴します。
その牡羊座にキロンが滞在していることから……始めることにまつわるトラウマ。出会いがしらにつまづく癖。出発するとき不安をいだきやすい、といった意味を読み取れます。

 

ちなみに1968年から1976年生まれの方の一部は生まれたときのキロンも牡羊座で、現在キロンが回帰しています。
天体が回帰するときは、その天体の持つテーマが書き換わるとき。
それがキロンであれば、その時期にはさまざまな形で出生のキロン(トラウマと癒やしのテーマ)に光が当たることが多いのです。

 

夏至や先日の蟹座新月など、このところの天体配置でキロンにフォーカスが当たるタイミングもありました。
何か思い当たることはありますか? 気になる方は鑑定お申し込み時に「キロンの情報も知りたい」とお知らせくださいませ。

 

藤井まほ、8月の鑑定スケジュール

 

都合により、8月の第2週まではお休みをいただきます。
ご予約可能な日は次の通りです。夏休み、お盆休みなどと重なる日も多いので、普段平日においでになれない方はぜひご検討くださいね。

藤井まほのご予約可能日:

8/9(水),  8/12(土),  8/16(水),  8/23(水),  8/30(水)

 

土日の鑑定をご希望の方は、担当占い師のいない日であればお申し込みを承ります。
ご希望日の1週間前までに下記フォームよりお問い合わせくださいませ。よろしくお願いいたします。

藤井まほ 土日の鑑定お問い合わせフォーム

 

 

「セルフケア」としての占い ~2023年6月のブログテーマ~

カテゴリ一覧

アーカイブ