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2021/05/04

『老い』と『成熟』と占星術 …. 土星をヒントに考える

こんにちは。第三の眼・大阪&オンラインのKyokoです。

4月のブログテーマは『老いること』ですね。

占星術で『老いること』『老人』と関連づけられる惑星は土星です。

惑星には、その惑星を発達させるのに適した年齢域があります(惑星の年齢域)。

年齢域の割り当てには諸説あるのですが、松村潔先生によると、土星の年齢域は56-70歳

惑星の年齢域(松村潔説)

  • 月:0-7歳
  • 水星:9-15歳
  • 金星:16-25歳
  • 火星:36-45歳
  • 木星:46-55歳
  • 土星:56-70歳
  • 天王星:71-84歳
  • 海王星:85歳以降
  • 冥王星:死の瞬間

 

土星期に起こるであろう心と体の変化

土星期(56-70歳)は、会社員であれば、定年を迎え、第二の人生へと移行していく時期です。

昔よりも平均寿命が延びている今、定年制度に納得がいかない人も多数いると思います。

それでも、土星の年齢域になれば、老いを明らかに実感する人は多いのではないでしょうか。

もちろん、30代や40代であっても、徐々に衰えを感じ、衰えに抵抗しながら活力を維持しています。

しかし、50代後半から60代になると、個人差はあるとしても、もはや抵抗できない老いが明らかになってきます。

当たり前のように動いてくれていた体を失いつつあるからこそ、「体=物質」の有難みを本当の意味で実感するのではないでしょうか。

肉眼で見える最遠の惑星、として土星は存在します。
それゆえ、土星期は、「物質としての人間の限界」を受け入れざるをえないか、受け入れることが可能となる年齢域
なのかな、と思います。

老いを受け入れることは、死を受け入れる準備をすることにも繋がります。

それは「物質としての存在を超えた自分」への意識が開いていく(可能性がある)時期ともいえそうです。

 

若い脳と成熟した脳

若い脳と成熟した脳の違いについて、脳科学者の中野信子さんは

周りにいる人間を人間だと思えるかどうか、が違うんですね。
周りにいる人のことを若いうちは物だと思ってたりします。
背景だと思ってたり。
その周りにいる人たちを人間だと思えるようになるには、そこそこ年数がいる。

と述べられていました(NHK『英雄たちの選択~渋沢栄一 七転八倒の青春~』より)

渋沢栄一のような偉人とされる人物でも、若い頃は、自分と意見を異にする人々の命を、簡単に葬ろうとしたわけです。

年齢を経て、「物質以上の存在である自分」を人間として受け入れるにつれ、他者のことも「人間」と思えるようになるのでしょう。

 

山羊座と『山』。土星と『山登り』。

土星は山羊座の支配星。山羊座の象徴のひとつに『山』があります。

頂上という目的地に向かって、山を、一歩一歩、この体を使って登っていく、というアクションと、土星は関連づけられるのです。

目標達成をイメージさせる図柄として、以下のようなものがあります。

何事かを達成すること、やり遂げることと、山の頂上に辿り着くことは象徴的に重なります。

自分の肉体(足)を使って、与えられた時間と労力を注いで、最も高みに上がれる場所、天に近づける場所が、山の頂上です。

山の頂上に登るまでの道程を実体験しているからこそ、他者のそれをも、真に尊重できるのでしょうね。

登ったこともない山について、批判するのは、たやすいことです。

 

カバラ:生命の樹の惑星対応は、こんな感じです(松村潔説)(Grahaデザイン)

生命の樹を見ても、年齢域が上がるにつれ、見晴らしがよくなっていきます。

年齢を重ねることを、若さを失うと捉えるのではなく、若い季節は既に体験済(その体験は自分の財産として持ち続けている)であり、次の体験、あるいは完成に向かっている、と考えることもできます。

現実には、そのような達観に至ることは、なかなか難しいのですが。

 

けれども、桜が好きだから、ずっと春がいい、とか。
モミジの紅葉が好きだから、ずっと秋がいい、などの希望があるとして。
実際に同じ季節が永遠に続くとしたら、きっと「飽き」が来るでしょう。

 

「次のテーマ」に向かうために終わりは必要だと思います。
そして、終わり、というよりも、実は、遷移のワンシーンなのでしょう。

 

土星の先にはトランスサタニアン(土星外惑星)があります。
土星は、トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)との境界に存在するのです。
トランスサタニアンは個人を超えたもの、目には見えないものを扱う領域です。

 

個人は、人類あるいは万物の一部であり流転していくことが自然である
と、受け入れられるようになるところ、に向かって歩いている^^

 

とはいえ『不老』を可能にする手段は、すでに発見され、薬も開発されているようです。
ただし『不死』は無理なようですが。

『不老』が可能になれば、私たちの現実感覚も変わっていきそうですね。

⇒ 人類の夢「不老」を可能にする仰天の発見! 老化細胞を除去する薬とは

「人間の寿命を120歳以上にすることはできません。しかし、人生の最期の瞬間まで元気に過ごせるよう、健康寿命を延ばす薬は作れるのではないか。今回の発見はその糸口になり得ると考えています」 東京大学医科学研究所(癌防衛シグナル分野)の中西真教授はそう語る。

 

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